適切な入浴方法 ドクターサロン60巻12月号(11.2012)より
ご家庭で入浴されるとき、専門の先生から見て、温度はどういう効果があるのでしょうか?
大体40~42度を境に効果が分かれることになっています。
40℃未満の温度は日本人ではちょつとぬるいかなと感じる温度で、副交感神経が有意になり、リラックスした、ゆったりした、疲労感が取れるような感じになりますので、これから休みたい、眠りたいというときに適切な温度かと思います。
40~42度の間は日本人が好む温度で、ちよっと熱いかなという程度の温度で、適当に交感神経を刺激しますので、眼が冴えて頭がすっきりする。ですので、これから仕事をしたい、勉強したいと言うときに適切な温度かと思います。
42度以上はお年寄りがとても好きな温度なのですけれども、実は血小板が凝集しやすくなったり、血栓ができやすくなったりという怖い作用が出ることが分かっていますので、42度を超える温度は入ってはいけない温度だと思います。冬ほど 42度以上はだめだということになりますね。もう一つの目安で、どのくらいの入浴時間かという質問という質問ですけども如何でしょうか。個人差がありますので一概には言えませんけれども、だいたい5~10分ぐらいが適当かと思います。
具体的に言いますと、お風呂に入って、額に汗をかくか、かかない位の時間が適切だとおもう。そこから更には入ると、体が脱水状態になって、色々な副作用がでますので、汗をかくか、かかない程度で切り上げるのが一番いいかと思います。
日本人はいろいろと入浴剤が好きですが、どのような種類があって、どのような種類があって、どのような効果が期待できますか?大きく3つに分けることができます。
1つは無機塩類系のものです。NaSO4とか、NaHCO3というもので、温泉の成分に類似したもので、主に保温効果を目的としています。
2つ目は生薬系のもので、これは生薬の種類によっていろいろの効果がありますので、一概にえません。
3つ目は炭酸撰入浴を模した、炭酸ガスを発生するものです。これは血管を拡張しますので、高血圧の方とか、脳卒中の後の方とか、一般仁高齢者の方には適切なものかと思います。
(以下省略)
無理な飲み方は危険!お酒は自分のペースで美味しく飲みましょう。
お酒は、食事を美味しくしたり、緊脹を解きほぐすなど、よい効果が沢山あります。しかし、飲み方を間違えると、依存症や急性アルコール中毒など引き起こします。
*「健康おおさか21」が提案する"お酒の上手な飲み方" 1日にビール中瓶3本、または清酒3合程度を超える多量飲酒をなくす、週2日の休肝日をもつ、しないさせないイッキ飲み。
*大量飲酒は急性アルコール中毒を惹き起こします。 アルコールを短時間に大量に摂取すると、肝臓での分解処理が間に合わず、脳を麻痺させます。そして昏睡状態となり、呼吸中枢の麻痺によって呼吸が停止し、死亡に至る場合もあります。
*急性アルコール中毒を起した時には、一刻も早く病院へ連れて行きましょう "飲みはじめてから1時間ほどで、立ち上がれないほど酔っている場合""声をかけたり顔をたたいたりしても反応が鈍い場合" "自分一人で立つことができない場合""酔いつぶれたまま吐いている場合"嘔吐物が喉に詰まって窒息死する場合もありますので、注意して下さい。
*また、こんな人は飲まないで、飲ませないで"未成年" 成長期の飲酒は、心の問題や、脳、肝臓、生殖器などに大きな障害をもたらす恐れがあります。"妊婦や授乳中のお母さん"
妊娠中は、少量のアルコールでもお腹の赤ちゃんの発育を妨げ、低体重児や早産の危険もあります。また、授乳中のお母さんが飲んだアルコールはお乳に出ますので、赤ちゃんにお酒を飲ませることになります。
*空腹時にお酒を急激に飲んだり、大量の一気飲みやハイペースな飲み方は危険です。自分の許容量やペースを知っておくことが楽しいお酒の飲み方です。
乾燥肌(皮膚乾燥症)は、日常生活や保健・介護に関連する健康問題として認識されつつある。乾燥肌は、バスオイルなどの入浴剤の使用により軽減されることが知られているが、その効果を示す経験的エビデンスは限られている。
そこで本研究では、市販のバスオイルと入浴・シャワー用の非オイル系スキンクレンザーにおいて皮膚バリアー機能および乾燥肌の改善効果を比較、調査した。 International Journal of Nursing Studies誌オンライン版2016年10月26日号の掲載の報告。
試験デザイン:単一施設、無作為化、観察者盲検、実用的並行群関試験
方法:試験対象は軽度~中程度の乾燥肌を有する健康な小児および成人60人(ベルリン市在住)、対象者をバスオイル使用群、普段使用している非オイル系スキンクレンザーの継続使用群に無作為に割り付けた。どちらも試験期間28日中、1日おきの使用とした。 皮膚バリアパラメータと乾燥皮膚の重症度は。臨床研究センターの訪問(初回と2回のフォローアップ訪問)によって評価された。主要評価項目は経皮水分蒸散量(TEWL)とした。主な結果は以下のとおり。60人の参加全員が試験を完了した。対象者の年齢の中央値は32.5歳(四分位範囲;8.3~69)であった。試験終了時のTEWLは、バスオイル群で有意に低かった(非オイル系スキンクレンザー群との平均差―1.9g/m2/時(95%信頼区間:-3.1~-0.8)。試験終了時の角質層の水和は、バスオイル群において非オイル系スキンクレンザー群と比較し、有意に高かった。皮膚表面のPHおよびきめの粗さは、両群ともに皮膚乾燥症状の改善傾向を示した。
今回の試験から、バスオイルの定期的使用で軽度~中程度の乾燥肌を有する小児および成人の皮膚バリア機能が改善することが示された。また、広範囲に及ぶ乾燥肌の基礎ケアとしても、バスオイルの使用が支持されることも示唆された。
室内のアレルゲンを低減することが子どもの喘息管理に役立ち、薬物療法の必要性を減少できる可能性があるという米国小児科学会(AAP)の報告が、「Pediatrics」11月号に掲載された。
子どもの喘息では、感染症が症状の誘因となることもあるが、今回の報告では環境要因に着目した。アレルギー検査により喘息の誘因を特定し、それに基づいて環境を調整することが重要になるという。
たとえば、喘息小児の6割はチリダニアレルギーがあり、カーペットとぬいぐるみを除去することが役立つ可能性がある。ダニの制御には、HEPAフイルターを用いた空気清浄機を使うこと、子どもの布団を防ダニカバーで覆うこと、寝具類を熱い湯で定期的に洗うことも有効である。
一方、ネコアレルギーもよくみられる誘因だが、この場合、アレルゲンは空気中に広がり極めて付着しやすいため、ネコの新しい飼い主を探す以外の選択肢はない。一部の子どもでは、室内の汚染物質が喘息を誘発することもある。特に喫煙は主要な寄与因子であり、少なくとも家の中では喫煙しないことが大切である。
本報告の共著者である米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院(ボルテモア)のElidabeth Matsuihは、「こうした環境因子に対するアプローチは、子どもの喘息管理に不可欠である。これにより薬物療法と同程度の効果を得ることができ、少なくとも長期管理薬の必要性を低減できる」と話す。
今回の報告書では、ほかにも以下の点が重要だとされている。・喘息小児の約半数はカビに感受性がある。・持読性喘息がある小児の3分の2はネコ・犬にアレルギーがある。・ゴキブリ・ネズミの糞も一般的なアレルギー性喘息の誘因。都市部の貧困家庭では、ネズミのアレルゲン濃度は郊外の家の1000倍高い可能性がある。・ガスストーブなどのガス器具も、喘息を増悪させる可能性がある。芳香剤や洗剤に含まれる化学物質は気道を刺激することも多く、喘息発作につながる。
既存の研究を解析した結果、チヨコレートに含まれるカカオは実際に身体によいという新たな裏ずけが得られたことが報告された。ただし、チョコレートによる日常の健康への影響は不明であり、利益が害を上回る摂取量や種類についても明確にされていない。いずれにせよ、「チョコレートとともに摂取されるカロリーと糖分を無視すべきでない」と研究著者である米ブラウン大学(ロードアイランド州)のXiaochen
Lin氏は述べている。
Lin氏らは、計1131人の被験者にフラバノール(健康に有益とされるカカオの成分)またはプラセボのいずれかを摂取させた19件の対照試験を示した。フラバノール群の被験者は、1日166~2110mgのフラバノールを2週間~1年間にわたり摂取した。
なお、標準的なチョコレート製品にはこの用量のフラバノールは含まれていない。 2011年に「Journal of Agricultural and Food
Chemistry」に掲載によると、人気のダークチョコレート菓子の間ではフラバノール値に大きなばらつきがあり、ミルクチヨコレートやホワイトチヨコレートでは更に差が広がることがわかっている。米国立衛生研究所(NIH)と製果企業のマース社による研究、さらに米国心臓協会(AHA)と製果企業のファイザー社による知見をレビユーした結果、カカオフラバノールを含む食品を摂取した群では、トリグリセリド値が低いことが判明したと言う。また炎症や血糖値をコントロールする能力の向上が示されたほか、「善玉」コレステロール値もやや上昇がみられた。
これらの差は「軽度~中等度」であつたものの、統計的に有意であった。また過体重やその他の健康問題の有無のかかわらず、同様の効果がしめされた。しかし、チョコレートが健康に実益をもたらすのかどうかわ明かになっておらず、長期的な影響についてはさらに研究を重ねる必要があると、研究著者らは述べている。
ニキビに悩んだ経験のある人には朗報である。思春期にニキビがあった人は、ニキビのなかった人に比べ皮膚の老化が暖やかである可能性があるとの知見が、1200組超の双生児を対象とした英国の研究から示唆された。この研究の対象者の4分の1は、生涯のいずれかの時点でニキビに苦しんだ経験があった。研究を率いたSimone Riberro氏は、「皮膚科医の間では長年、ニキビになったことのある人の皮膚は、全くニキビができなかった人の皮膚に比べて老化が遅いことがしられていた。しかし、臨床の場ではこうした所見が認めてられていたにもかかわらず、その原因はこれまで明かにされていなかった」と話す。同氏は英キングス・カレッジ・ロンドン双生児研究・遺伝疫学部の皮膚科医。「今回の知見から、その原因にはテロメアの長さが関連している可能性が示唆された。これによりニキビを経験した人の細胞は老化から保護されていると考えられる」とRibero氏は述べている。テロメアは染色体の末端部にあり、染色体を複製のの際の劣化から保護する働きをもつ。細胞が老化するとテロメアが徐々に機能しなくなり、最終的には細胞死に至る。これは正常な成長と加齢の一環だと。著者らは説明する。論文の上席著者であるVeronique Bataille氏は、「ニキビに悩んだ人の皮膚が早期老化から保護される理由を説明する因子のひとつとして、テロメアが長いことを挙げられるようだ」と述べている。
拒食と過食を繰り返す「摂食障害」若い女性を蝕む現在病
摂食障害は患者さんの95%が女性で、思春期に多くみられるのが特徴です。スリムな体形を賛美する風潮は、若い女性の健康面に少なからぬ影響を与えていると言えるでしょう。
摂食障害とは、思春期には、自分らしさが何か分からず、ついつい過激な行動を起しがちです。現在の先進国では、殆どすべての若い女性が、一度はダイエットを試みます。そのうち一部の人が、拒食(全く食べない)、過剰運動(毎日、数時間走るなど)、強制嘔吐(のどに指を突っこんで無理に吐く)などの過激な行動に走ります。その結果、極端にやせます。その後、リバンウンドし、拒食と嘔吐を繰り返す人も、低体重のままの人もいます。
拒食症と過食症の診断:概ね30歳以下の人に発症する。拒食症は20%を超える体重の減少が3か月以上続く。拒食症の人は、一見して異常と分かるほどやせているのに、本人は体重を戻すことを拒否する。過食症もその根底には強い「肥満恐怖」があるため、食べた後に吐いたり、下剤を用いたりする一方、夜中に「隠れ食い」をすることもある。拒食症と過食症を往き来する人も多い。
摂食障害による体調異常:やせのための症状と過食、嘔吐のための症状がある。やせると、無月経、低体温、低血圧、便秘、手足のむくみ、脱毛、うぶ毛の密集、集中力の欠如、などがある。過食、嘔吐ではえらの張り(唾液をだす腺が腫れるため)、う歯、脱水、低カリウム血症(嘔吐で体内のカリウムが失われるため)、口腔、食道、胃の損傷などが見られる。摂食障害の患者さんの数%~10数%の人が長期の経過のなかで生命に関わる危険な状態になり、命を落とすことがあります。
治療には時間がかかります:摂食障害は多くの体の問題を示しますが、実は心の問題です。精神科を受診し、長い時間をかけて、じよじよに癒していく事が必要です。
摂食障害の人は、「自分は病気でない」と病院に行くのを拒むことが多く、受診にたどりつくだけでも、気の長い取り組みが必要です。焦らず、患者さまの苦しい気持ちとむきあって、取り組んでいきましよう。
乳児期の卵・ピーナッツ摂取でアレルギーのリスク低下/JAMA 乳児食として、早期に卵およびピーナッツを導入すると、これらのアレルゲン食品によるアレルギー食品によるアレルギー性疾患のリスクが低減することが、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDespo Ierodiakonou氏らの検討でしめされた。アレルゲン食品の導入時期が、アレルギー疾患や自己免疫疾患のリスクに及ぼす影響への関心がたかまっている。乳児食のガイドラインは、両親仁アレルゲン食品の導入を遅らせることを推奨しなくなっているが、多くの場合、早期の導入を勧めてもおらず、最近の6つのアレルゲン食品の早期導入の無作為化試験(EAT試験)では、何れの食品でも予防効果は認められていない。
導入時期の影響をメタ解析で評価:生後1年以内の乳児において、アレルゲン食品(牛乳、卵、魚類、甲殻類、ナッツ類、小麦、ピーナッツ、大豆)の導入時期を検討し、アレルギー性疾患や自己免疫疾患、アレルギー感作との関連について報告した介入試験および観察試験を対象とした、主要評価項目は、喘鳴、湿疹、アレルギー鼻炎、食品アレルギーアレルギー感作、一型糖尿病、セリアック病、炎症性腸炎、自己免疫性甲状腺疾患、若年性関節リュウマチであった。
エビデンスレベルは低いが、魚類の早期導入が鼻炎を抑制:日本の研究を含む5試験(1915例)のメタ解析では、乳児食に早期(生後4~6カ月時)に卵を導入した乳児は、これより遅い時期に導入した乳児に比べ卵アレルギーのリスクが低いことをしめす、確実性が中等度のエビデンスがえられた、卵アレルギーの発生率が5.4%の集団における絶対リスク減少律は、1000人当たり24例であった、また、2試験(1550例)のメタ解析では、早期(生後4~11か月時)ピーナツツを導入した乳児は、これおり遅い時期に導入した場合に比べてピーナツツアレルギーが低いことをしめす、確実性が中等度のエビデンスがえられた。ピーナツツアレルギーお発生率が2.5%の集団における絶対リスクの減少率は、1000人当たり18例だった。卵およびピーナツツの導入時期は、たの食品に対するアレルギーのリスクとは関連しなかった。
足に合っていない靴を選ぶと、足はもちろん、ヒザや腰の病気につながったり、内臓の働きに影響を与えることもあります。また、足の健康は体や頭脳の発育の為にも重要です。子どもの成長の段階によって、歩き方なども変わりますので、その時期に合わせた靴を選びましょう。
よちよち歩きの時期は:、柔らかく足になじむ素材、シューズを足に固定するベルト、足の後、半分は骨の発育を守るため固く補強されている、うまずきを防ぐ巻上底、かがとから2/3の所でソフトに曲がる。
とことこあるきの時期には:履きやすく、甲部を適度に押さえるベルト、足の後ろ半分は骨の発育を守るため固く補強されている、通気性・吸湿性の良い素材、非行のショックを和らげ滑りを防ぐゴム底、かかとから2/3の所でソフトに曲がる。
15.0cmの子どもに16.0cmの靴を履かせるとを大人に置き換えると、23cmの人が24.61cmの靴、つまり、3~4サイズも大きな靴を履くことになります。土踏まずは3歳頃からできます。子どもの健やかな成長のため、足にきちんと合わせて愛情をもった靴選びをしましょう!!。(保育と保健ニュースから)
子どもの過去10年、約5千人の記録を分析すると、暮らしに潜む様々な危険や虐待の可能性が見られる。今回の分析で、予防に繋がる要因があった事故死849件のうち、睡眠時の事故469件に次いで多かったのが溺死の212件、その半数超の114件は自宅の浴室であった。分析では、子どもだけで入浴させたり、子どもの入浴中に家族が寝たりした例が多かった。転落・転倒は42件、食べ物を気道に詰まらせる誤嚥は41件だった。子どもの成長に応じて起きやすい事故が変わる傾向も見えた。睡眠時の事故は0歳児に集中する一方、1歳を過ぎると浴室での溺死や誤嚥の危険が高まり、自宅外の溺死や転落は10歳を過ぎても多く起きている。製品や使い方に要因がみられたケースも、14年には、生後2ヶ月の男児が、布で包み込む形の「抱っこひも」で抱えられた状態で呼吸停止に。このタイプでは、窒息の危険があるとして10年にリコールされた海外製品もある。
07年と12年の冬には、乳児が炬燵で熱中症を起し心肺停止に。体温調節がうまく出来ない乳児が脱水状態になった可能性があるという。一方、虐待や自殺のように社会的な要因が大きい1067件の例では、「生み落とし」の379件のほか、親族や家族による虐待死は207件、無理心中は疑いも含め188件だった。記録で死因が「不詳」とされた中に、暴力など虐待の可能性が見られた例も259件あった。
14年に亡くなった0歳児の所見には「頭部および頸部が強く揺さぶられた」などの記述があった。他の例でも「父が拳で強く腹をなぐった」「テープで鼻や口をふさいだ」などと記されていた。栄養不良や。車内放置による熱中症などの例もあった。産み落としや虐待、無理心中などの背景には、貧困や孤立などの社会問題があり、周囲や行政が適切な対応をとることで防ぎうる事もある。
予防につながる要因がある死1916人:事故など(睡眠時の事故469件、溺死212件、転落・転倒42件・誤嚥41件・その他の事故85件、計849件、虐待など: 産み落とし379・虐待の可能性259・虐待死207・無理心中188・自殺34、計1067件。
座り過ぎは危険だということを聞いたことのない人はいないと思うが、デスクワークをする人にとってはよい知らせがある。1時間の中強度の身体活動は、8時間の座位による健康リスクを帳消しにするということである。これは、対象者100万人超のメタ解析から得られた結論で、Lancet誌オンライン誌7月27日に掲載された。真近に迫ったオリンピックに合わせて、身体活動をテーマにした特別連載の1つである。
Lancet誌がこういったシリーズを掲載するのは2度目である。運動不足は命取りになる、というのが4年前、前回のオリンピツク時の主なメッセージであった。運動不足により1年間に世界全体で530万人が早期に死亡しており、これは喫煙による死亡数と同規模であり、肥満関連死の2倍に相当する。この所見により「座り過ぎは新しい喫煙だ」「長時間の座位は命取りになる」といった注意喚起の公衆衛生キャンペーンが促進された。
今回の新しいメッセージは、「十分に活動的であるなら、スポーツを始めたりジムに過ったりしなくても、これらのリスクは低減でき、完全に取り除くことさえ可能ということだ」と、メタ解析の筆頭著者であるUlf Ekelund氏は述べた。
研究では、1日8時間の座位による健康リスクは、早歩き(5.6km/h)や楽しみとしてのサイクリング(16km/h)といった中強度の活動を1時間行うことによって帳消しにできることが分かった。この研究の参加者の4分の1は、このレベルの身体活動を行っていた。
しかし研究者たちは、活動時間がもっと短くても(公衆衛生ガイドラインでしばしば推奨されているのは1日約25分)、長時間の座位に関連した死亡率が低減したことに気付いた。
「オフィス・ベースの仕事のために通勤する多くの人にとって、長時間の座位から逃れる方法はない」とEkelundしは声明で述べた。「とりわけこういった人たちには運動が重要で、ランチタイムの散歩、朝のジョギング、仕事場への自転車通勤など、なんでもよいからとにかく運動することだ。1時間の身体活動が理想的だが、それが無理なら少なくとも毎日少し運動することでリスクは低減できる」と述べてた。
Ekelund氏等の研究が示したのは「定期的な身体活動が、いかに長時間の座位による死亡リスクを低減できるかということ、また、現在は座位時間の縮小だけが焦点となっているが、定期的な身体活動にも重点を置いた焦点へのシフトを支援すべきだということである」と彼らは付け加えた。
子どもの爪噛みや指しゃぶりの癖は、親にとっては悩みの種だが、その癖が健康面で利益をもたらす可能性が示唆された。未就学期を過ぎても指しゃぶりや爪噛みをしている小児は、青年期にアレルギー反応を起こしにくい可能性があり、さらに、その効果は成人になっても持続するようであることが分かったという。
ただし、研究著者であるオタゴ大学(ニュージーランド、ダニーデン)のRobert Hancox氏は、小児にそのような習慣を推奨するわけでないと述べ、特に指しゃぶりについては歯並びへの影響が懸念されると指摘している。「しかし、子どもの癖を直すのが難しいとき、アレルギーリスクが低減される可能性があると思えば、ある程度気が楽になるかもしれない」と、同氏は付け加えている。
なぜ、指を常習的に口に入れることがアレルギーリスクに影響するのだろうか。その機序には、「衛生仮説」が関連しているとHancox氏は話す。この仮説は、幼少期に細菌などの微生物に曝露すると、免疫系が感染と戦う態勢をとるように指向されるため、アレルギー反応を起しにくくなるというものだ。今回の研究は、因果関係を裏づけるものではないが、他の因子(母乳育児、受動喫煙への曝露、ペツトの同居、アレルギーの家族歴など)この結果を説明できるとは考えにくいと、同氏は述べている。
米国小児学会(AAP)のMika Hiruamatsuしは、子の知見をレビユーし、「これは衛生仮節を裏付けるエビデンスの新たな1ピースだ」と話す。これまでの研究でも、託児所に通う、ペットを飼っている、農場で生活している、年上のきょうだいと同居しているなどの条件により、小児のアレルギーや喘息のリスクが低減する傾向が認められているという。「子どもを敢えて不衛生な環境に置く必要はないが、完璧な静潔さを目指す必要もない」と、同氏は指摘している。
今回の研究では、出生時に登録されたニユージランドの小児1000人強を対象とし、その多くを成人まで追跡した。親の申告によれば、31%が5歳から11歳までに「頻繁に」指しゃぶりか爪噛みをしており、そのような小児は13歳までアレルギーの皮膚検査で陽性となる比率が3分の1低かった。32歳の時点でも同様のパターンが認められた。
ただし、皮膚検査は特定の物質に対してアレルギー反応があるか否かを判断するもので有り、必ずしも日常的に症状があるとは限らないという。今回の研究では、対象者に喘息または花粉症と診断されたことがあるかを尋ねたが、それらの条件と指しゃぶりや爪噛みとの関連は認められなかった。
日本食は、認知症発症の予防効果を有すると推測されているが、この課題を検討した報告はまだない。東北大学の遠又靖丈氏らは、前向きコホート研究により、日本人高齢者を対象に、食事パターンと認知症発症との関連を検討した。 The Journals of
Gerontology誌オンライン版2016年6月29日号の報告。
自治体ベースのコホート研究(大崎コホート研究)に参加した、65歳以上の高齢者1万4402人を5.7年間フォローアップしたデータを分析した。食物摂取頻度調査表を用いて、39の食品および飲料の消費に関する主成文分析を行い、食事を日本食パターン、動物性食品パターン、高乳製品パターンの3種類に分類した。認知症発症に関するデータは、公的介護保険データベースより収集した。 主な結果は以下の通り。
7万1043人年のフォローアップ中、認知症発症率は9%であった。日本食パターンのスコアは、認知症発症リスクの低さと関連が認められた(最高四分位vs最低四分位;HR:0.80、95% CL:0.66~0.97、P=0.016)。動物性食品パターンおよび高乳製品パターンでは、認知症発症との有意な関連は認められなかった。
関連医療ニユース:日本人の認知症に関連する食習慣とは 認知症によいサプリメント、その効果は、魚をよく食べるほど、うつ病予防に;日医大
欧米の8つのコホート研究の約33万人について、高齢者のがん発生リスクにおける過体重の期間・程度の影響について検討したところ、長期間の過体重が有意にがん発症と関連することを、国際がん研究機関(IARC,本部:フランス・リヨン)のMelina
Arnold氏らが報告した。 (European Journal of Epidemiology誌 2016年6月14日号に掲載)
最近の研究において、過体重や肥満に関連するがんのリスクは時間的影響を受け、体重が過剰であった年数を用いることでより正確に近似される可能性が示唆されている。本研究では、高齢者のがん発症リスクにおける過体重の期間と程度の影響を検討した。著者らは、追跡期間中に2回以上の体重測定を実施した欧米のコホート研究(欧州7件、米国1件)の32万9,576人について調査した。
BMIの経年変化は二次成長モデルを用いて推定し、過体重(BMI:25以上)の期間と累積加重過体重年数を計算した。主な結果は以下のとおり。
長期間の過体重が肥満関連のがんの発症と有意に関連し、閉経後乳がんおよび大腸がんのリスクも増加させた。更に過体重の程度により、肥満関連のがんリスクは一層増加した。 長期間の過体重に関連するがんリスクは女性より男性で高く、喫煙によって減衰した。閉経後乳がんでは、リスク増加が見られたのは、ホルモン療法を受けたことのない女性のみであった。 全体として、肥満関連の全てのがんのうち8.4%がどの年齢においても過体重に起因する可能性がった。
「ふくらはぎ(こむら、こぶら)」の筋肉がけいれんをおこして、つってしまうことを「こむらがえり」と呼んでいます。けいれんに伴って突然強い痛みが生じることが特徴で、時には「ふくらはぎ」以外の筋肉に起こることもあります。水分の不足、カリウムやナトリウムなど電解質の不足、筋肉の疲労、足の末梢の血流障害、神経の障害などが原因と考えられていますが、多くの場合は特定できません。薬の副作用で「こむらがえり」が生じやすくなる場合もあると言われています。
症状が出ないようにするためには、原因となる病気の治療や、服用している薬の変更などで対処できるかを確認します。繰り返し足がつる時は原因となる病気がないか、かかりつけ医に相談しましょう。
日頃から運動習慣をつけるのも効果的です。ただし、暑い気侯での運動時は熱中症や脱水に気をつけましょう。水分や電解質を十分に摂取すると、筋肉が疲れにくくなります。また、透析治療中の人、妊娠も「こむらがえり」が起こりやすくなります。
症状が起こった時は、①つま先をつかんで、膝のほうにゆっくりと引き「ふくらはぎ」を伸ばします。
②つったほうの足を立膝にし、両手でつま先と、かかとを持ちます。そのままゆっくり前方に体重をかけ、「ふくらはぎ」を伸ばします。③壁に両手をつき、体重をかけながらつった方の「ふくらはぎ」を伸ばします。このように足がつった筋肉を伸ばす(ストレッチする)とけいれんがおさまりますので、参考にして下さい。
スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。
近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、特に眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。 (Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。)
研究グループは、韓国3都市の青少年被験者715例から、構造化アンケートを用いてスマートフォン利用と眼性疲労関連の眼症状(かすみ、充血、視力障害、分泌物、炎症、流涙、かわき)の情報を集めて分析した。眼の健康について眼症状の数でスコア化し、統計処理を行った。その主な結果は以下の通りである。
眼症状の有病率が高いほど、スマートフォン曝露がより大きかった(P,<0.05)1日当たりのスマートフオン利用時間が長いほど、複数の眼症状を有する頻度が有意に高かった(P=0.005)。 短時間利用(1日2時間未満)と比べて、長時間利用 / 間欠的利用、および長時間利用 / 継続的利用(1日2時間超 / 2時間超を連続的)は複数の眼症状と有意の関連が認められた。スマートフォン曝露期間が長いほど、複数眼症状を有する頻度はより高かった。
睡眠中の乳児に「おくるみ」を使い、特に「うつぶせね」にすると、乳幼児突然死症候群SIDS)による死亡リスクが高まることが、米バージニア大学科教授Rachel
Moon氏らの研究で示唆され、研究論文が「Prdiatrics」オンライン版に5月9日掲載された。
「おくるみ」とは通常、頭は出して腕を中に入れた状態で毛布や布で子どもをくるむことを指す。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では2024年、約1500人の小児がSIDSで死亡したという。
Moon氏らは、これまでに発表された4件の研究の結果を分析し、SISDで死亡した乳児760人をそうでない乳児1759人と比較した。これ等の研究は20年に亘り、英国、オーストラリアのタスマニア、米シカゴで実施された。
分析の結果、くるまれた乳児では、SIDSで死亡する可能性が50~60%高かったと言う。「おくるみ」によりSIDSは全般的に上昇したが、「うつぶせ」にして寝かせると更に上昇し、これらの乳児のSIDSリスクは「おくるみ」を使わない乳児の約13倍に達した。このリスクは、乳児が自分で寝返りができる可能性の高まる生後6カ月に近づくにつれて上昇した。
Moon氏は、これ等の関連性の原因は説明できず、本研究は「おくるみ」とSIDSリスクの因果関係は証明できないとしている。また本分析には、4件の研究で「おくるみ」の定義が異なるなど、いくつかの限界があったという。
Moon氏は「子どもが寝返りできるようになったら「おくるみ」を使ってはならないこと、「うつぶせ」または横向きに寝かせないことをお覚えてほしい」と話している。一方で他の専門家は、「睡眠時の「おくるみ」は全て推奨しない」とコメントしている。
重度の歯周病が2型糖尿病の予測因子
-日本人の中年男性を5年間追跡-
重症の歯周病があると2型糖尿病を発症し易いことが、日本人の中年男性を対象に行った調査で分かった。歯周病による歯の「ぐらつき」があると2型糖尿病を発症するリスクが高い可能性があると言う。研究を率いた東京大学公衆衛生学の宮脇敦士氏らは、歯周病治療が全身性の炎症レベルやインスリン抵抗性、血糖コントロールを改善するとの報告もあり、歯の動揺を伴う重症の歯周病への対策が2型糖尿病の予防に繋がるとの見方を示している。歯周病と2型糖尿病の関連については、2008年に米国健康栄養実態調査(NHANES)の結果から、中等度~重症の歯周病があると糖尿病リスクが上昇することが報告されている。一方で、日本人の男女約5800人を対象に行われた7年間の観察研究では、重症の歯周病と2型糖尿病の新規発症が関連する傾向がみられたが、有意の関連ではないことが示されている。
そこで、同氏らは、ある企業の従業員を対象に、2004年から健康管理事業の一環で行なっている「MYヘルスアップ研究」の参加者を対象に、歯周病と2型糖尿病との関連を検討する縦断観察研究を行った。
対症は、糖尿病のない35~55歳の男性従業員。2004年の定期健康診断を受診し、同時に自記式質問票に回答した2469人を5年間追跡した。歯周病の状態は、(1)歯肉出血と(2)動揺歯の2つに分けて検討した。また、糖尿病の有無は、自己申告あるいは空腹時血糖値(126mg/d以上)、2008~2009年はHbA1c値(6.5以上)も用いて判定した。
5年間の追跡期間中、対象者のうち133人が新たに糖尿病を発症した。年齢や喫煙習慣、BMI、糖尿病家族歴など複数の因子により調整した解析で、動揺歯の存在は2型糖尿病の発症と有意に関連することがわかった。一方で、歯肉出血と2型糖尿病発症との間には有意な関連は認められなかった。これらの関連性は、糖尿病前症の影響により調整した解析でも同様の結果が得られという。
妊娠中の飲酒が子供のアトピー性湿疹の発症に影響を与える可能性があることを、岐阜大学の和田恵子氏らが報告した。 (Alcoholism clinical and experimental
research誌オンライン版2016年8日号に掲載)
これまでにアルコール摂取による免疫系への影響が示唆されているが、アレルギー性疾患に関わるかどうかは不明である。著者らは、妊娠中のアルコール総摂取量と国内出生コホートにおける小児喘息およびアトピー性湿疹リスクとの関連を検討した。
2000年5月~2001年10月に産婦人科クリニックで妊娠中の女性を組み入れ、これらの母親から生まれた子供(合計350人)を2007年11月までフォローアップした。アルコール総摂取量(料理で使用するアルコールを含む)は、5日間食事記録を用いて評価した。子供の喘息とアトピー性湿疹(医師による診断)は、毎年実施するアンケート調査で母親ガ申告し、さらに2007年にATS-DLD質問紙法で喘息を、ISAAC質問紙法でアトピー性湿疹を評価した。
主な結果は以下のとおり。*妊娠中のアルコール総接種量は、3歳以前のアトピー性湿疹のリスク増加と関連していた。 5歳以前のアトピ-性湿疹で見た場合も同様の相関が認められた。*アルコール総接種量の最低三分位に対する最高三分位におけるアトピー性湿疹の推定ハザード比(HR)は、3歳以前で1.90(95%CI:0.96~3.76)。
5歳以前の場合で1.74(95%CI:0.93~3.24)であった。*3歳以前の小児喘息については、アルコール摂取量が少なかった妊婦の子供に対する、摂取量の多かった妊婦の子供における推定HRは1.61(95%CI:0.70~3.6)であった。また、妊娠中に飲酒しなかった母親に対する、飲酒した母親の子供での推定HRは2.11(95%CI:0.93~4.81)であった。妊娠中のアルコール摂取量と5歳以前の小児喘息リスクとの関連は有意ではなかった。
「酒は百薬の長」を否定する解析結果-適度の飲酒でも寿命延びず?-
これまでの研究では、飲酒のさまざまな健康効果が示唆されてきたが、今回、適量のアルコールが寿命を伸ばすという見解に疑問を呈する研究結果が新たに報告された。
オーストラリア国立薬物研究所のTanya Chikritzhs氏らによると、87件の研究を検討した結果、全く飲酒しないヒトに比べて、適量の飲酒するヒトに生存期間の面で利益は認められなかったという。一方、この結果に対して米ボストン大学医学部教授のR.Curtis Ellison氏は、「科学的データからは、少量から中等量の定期的な飲酒が中高年の健康的なライフスタイルと矛盾しないことが支持され続けている」とコメントしている。
Chikritzhsらは、「飲酒を止めたヒトは、理由として病気になったことを挙げることが多いが、これまでの検討ではその点が見逃されてきた。その結果、こうしたヒトは早期に死亡する比率が高く、飲酒の影響を見誤る原因となっている可能性がある」と主張している。
今回の87例の研究について検討し、病気による禁酒を考慮していない研究を除外したところ、適量の飲酒による寿命への利益は認められなかったという。また、飲酒するヒトのなかで最も結果が良好であったのは、実は"時折(10日につき1杯未満)"酒を飲むヒトだった。更に、「中高年者の少量から中等量の飲酒は、良好な健康状態であることの指標であって、原因ではない可能性が高いことがあきらかになってきている」と同氏は述べている、アルコールを楽しむのはよいが、酒を薬のように考えるのは間違っており、「過剰に摂取すれば依存症や有害な影響があることを考えると、ほとんどのヒトにとつては、健康のために飲酒量は少ないほど良い」と同氏は付け加えている。
Ellison氏は、今回の報告はこの分野における膨大な研究を否定するものでないとし、「ヒトや動物の実験で、少量の飲酒(特にワイン)がアテローム性動脈硬化症や冠動脈疾患のリスク低減と関連することが示されている」と指摘している。カナダのトロント大学ダラ・ラナ公衆衛生学部のJurgen Rehm教授は、実験でアルコールの有益な効果を認める一方で、飲酒すれば乳がんなどの一部疾患リスクが上昇し、効果が相殺される可能性があると述べている。
アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa
Tsakok氏らは、システマテイックレビユーの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。著者は、「重症度および慢性度が高いアトピー性皮膚炎は、とくに食物アレルギーと関連しており、アトピ-性皮膚炎が食物感作および食物アレルギーの発現に先行する証拠もある」と述べている。(J.of allergy and Clinical
Immunology誌(2016年2月18日号)に掲載。
研究グループは、アトピー性皮膚炎の重症度・慢性度・発症年齢に対する食物アレルギーの影響、および両者の時間的関係について調べる検討を行った。MEDLINEおよびEmbaseを用い、2014年11月までに発表されたアトピー性皮膚炎と食物アレルギーに関する研究論文を検索し、調査した。
主な結果は以下の通り。66件の研究をレビユーに組み込んだ。住民ベース研究が18件、高リスクコホートが用いられた研究が8件、残りはアトピー性皮膚炎または食物アレルギと診断された患者を対象とした。
住民ベース研究の分析の結果、生後3ヶ月時の食物感作の可能性が、健康児に比べアトピー性皮膚炎患児で6倍高かった。また、他の住民ベース研究を分析した結果、アトピー性皮膚炎を有する参加者の53%が食物に感作しており、最大で15%が負荷試験において食物アレルギーの徴候を示したことが報告されていた。
アトピー性皮膚炎確定患者を対象とした研究の分析では、食物感作の割合は66%に達し、負荷試験で食物アレルギーを呈した患者の割合は81%にのぼった。
16件の研究が、食物アレルギーは重症アトピー性皮膚炎と関連していることを示唆した。6例の研究は、早期発症または持続性のアトピー皮膚炎が、とくに食物アレルギーと関連していることを示した。
1件の研究は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした。
ブルーライトってなあに?~浴び過ぎに気をつけよう~(日医ニュースより)
ブルーライトは、自然界にある光の一部です。紫外線と同じように大陽から発せられ、日没後は少なくなるので、日の出と共に起きて夜は眠る、というヒトの体内時計の調整に関係しています。
ところが、ブルーライトを使ったLED照明機器や液晶画面、スマートフォンなど電子機器の普及に伴い、身近な場所でブルーライトをたくさん浴びるようになりました。
元々は浴びることのなかった夕方や夜の時間帯にも、ブルーライトを浴びることで、脳が休養モードにならず体内時計が乱れ、寝つきが悪い、夜に目が覚める、寝不足など睡眠に関するトラブルが起こっています。また、ブルーライトの光は、短く散乱しやすい特徴があり、近い距離であびるとたくさんのブルーライトが目から入るので、疲れ目の原因とも言われています。
ブルーライトを浴び過ぎないようにするためには、間接照明にしたり、電子機器を使う時にブルーライトをカットするフイルムやソフトウェア、眼鏡を使うなどの方法があります。睡眠や目の疲れで気になる症状がある時は、かかりつけ医や眼科を受診しましょう。
卵は心臓に有害だとされたこともあったが、結局、それは否定できるとの報告が、「Am J of Clinical
Nutrition」2月10日号に掲載された。たとえ食事性コレステロールへの感受性が高くなるAPOE4という遺伝子の保有者であっても、卵などのコレステロールを恐れることはないと言う。多くの既存研究で、食事性コレステロールが血中コレステロール値に与える影響はさほど大きくなく、心疾患リスクに関連しないと判明している。しかしAPOE4遺伝子の保有者では血中コレステロール値への影響が大きくなるため、心疾患リスクも高くなるのではないかとの懸念があったという。
今回の研究では、42~60歳のフインランド人男性1000人超を追跡。試験開始時、対象者には心疾患・糖尿病はなく、約3分の1がAPOE遺伝子を保有していた。対象者の報告によると、食事からの平均コレステロール摂取量は398mgで、1日平均1個以上の卵を摂取している人はいなかった。なお、中サイズの卵1個のコレステロールは約200mg。
21年間の追跡期間で230人に心臓発作がみられたが、卵を食べる習慣も全体的なコレステロール摂取量も、心臓発作や動脈硬化のリスクに関連しないことが判明した。
Virtanen氏は、「糖尿病患者では、卵やコレステロール摂取が心疾患リスクを上昇させるという報告もある。そのため本研究は、卵を好きなだけ食べてよいと許可するものではない。また、卵を多量摂取する人についても評価出来ていない」と述べている。
他の専門家は、米国心臓協会(AHA)がコレステロール摂取を制限する勧告を撤回したことを挙げ、飽和脂肪酸と糖分、そして運動不足のほうが心疾患リスクにとつてより有力な容疑者だと指摘している。
メールをしたり、話したりしながら歩くのは危険な習慣だ。米国整形外科学会(AAOS)によると、「ながら歩き」で怪我のリスクに曝される米国人が増加しているという。
同学会が最近行った全米調査では、数千人の対象者の約40%は、「ながら歩き」をしている人が危険(incident)に曝されたのをみたことがあり、26%は自分自身がながら歩き中に危険を感じたことがあると答えた。
なかでも、55歳以上の女性は深刻な怪我をする可能性が最も高く、18~34歳の女性は危険を感じる可能性は高かったものの、怪我をする可能性は低かった。若年成人は歩きながら携帯メールをしたり、音楽を聞いたり、通話をしたりする可能性が高かった。
78%の人は「注意散漫な歩行は重大な問題だ」と述べ、74%は「他人は日常的にながら歩きをしている」と答えた。一方、「自分自身がながら歩きをしている」と答えたのは29%のみだった。
また、歩きながら他のことをする理由について、48%は「特に理由はない」と答え、28%は「歩行と他のことを同時に処理しても問題は生じない」と考えており、22%は「忙しいので時間を生産的に利用したい」と答えていた。
同学会のスポークスマンを務めるAlan Hilibrand氏は、「ながら歩き」の危険性は増大しており、階段から落ちたり、縁石でつまずいたりする歩行者が増え、擦り傷や打撲、骨折などの事故が増加している」と話す。AAOSでは、周囲に注意を払って歩行し、怪我の予防に努めることを勧めている。
どのくらい減量すれば、他の人があなたの顔の変化に気づきはじめるのだろうか。この疑問に答える研究報告が、Social Psychologica and Personality Science
2016年1月号に掲載された。(カナダ、トロント大学準教授N Rule氏らの研究。)
Rule氏らによると、平均身長の男女の場合、顔を見て変化に気づかれるにはそれぞれ4Kg、3.5kgの増減が必要だという。また、単に「痩せた」というだけでなく、より魅力的になったと思われるためには、更に2倍の体重減が必要だとしている。つまり、女性では平均約14ポンド(約6.3Kg)、男性では平均18ポンド(約8.1Kg)の減量が必要だった。
研究では、宝飾品類をつけず、髪の毛を後ろにまとめ、自然な表情をしている20~30代の男女の顔写真を使用した。それぞれの写真を少しずつ変化させて、徐々に体重が増えていくように見える一連の写真群を作成した。この写真群の中から無作為に選んだ2枚の顔写真を被験者に見せて。太っていると思う方を選んでもらった。その回答をもとに、他人が顔を見た時に減量に気付かれるために必要な体重減少量を測定した。
Rule氏は、「顔は、その人の健康状態を明確に表していると言える。顔面の脂肪量の増加は、免疫力の低下や心血管の健康の悪化、呼吸器感染症の増加、早期死亡と関連している。そのため、僅かな変化であっても、健康の改善に関連している可能性がある」と話している。さらに、共同研究者の1人は、「減量への動機付けという観点からみると、健康の改善よりも見た目の変化を重視する人もいるため、今回の研究結果は重要と言えるだろう」と述べている。